ファーストウェーブ
19世紀後半から、1960年代まで、アメリカのコーヒー文化にて、大量生産・大量消費が長年に渡り続き、大手メーカーが真空パックを取り入れ、大量のコーヒー豆を流通させた潮流をファーストウェーブといいます。
時代は旧ソ連との「冷戦時代」
アメリカは中南米の国々と良好な関係を築くため、品質はともかく、大量のコーヒー豆を買いとることになってしまいます。
品質の悪いものをてっとりばやく売りさばかなければなりません。
そこで効率のいい「浅煎り」がアメリカンコーヒーとなり、一般家庭や職場でもコーヒーが飲まれるようになって、大量に生産・消費されたのです。
セカンドウェーブ
1960~90年代、ファーストウェーブからの「反動」で冷戦終結後には、「深煎り」のダークローストが流行り始めました。日本でも有名な「スターバックス」「タリーズ」など、いわゆる「シアトル系」コーヒーチェーンが勢力を伸ばした時代です。これが「セカンドウェーブ」です。
「深煎り高品質の豆」が主流になり、カフェラテや様々なアレンジコーヒーが人気となり、今では当たり前となった「紙コップを片手に街を歩く」というのが、ファッション的ブームとなったのです。
サードウェーブ
セカンドウェーブからさらに品質を明確化させた流れが「スペシャリティコーヒー」に繋がっていきます。スペシャリティコーヒーは「深煎り」にすると豆の特性が薄まってしまうことから、「浅煎り」にして豆自体の個性や風味を楽しむ、といった潮流になってきます。これが「サードウェーブ」です。つまり、「品質の悪い浅煎り」から、「品質の良い深煎り」になり、そして「品質の良い浅煎り」になっていったわけです。
さらに淹れ方も「ハンドドリップ」で一杯ずつ淹れるカフェが増え、フルーティさを売りに出すお店が増えてきました。
「酸味」を楽しむ風潮に変化していき、いわゆる「劣化による酸味」ではなく、コーヒーが持つ、「爽やか」な果実のような味わいを楽しむようになっていったのです。
豆の産地を重視し、豆の個性を最大限に引き出す淹れ方をする新しいコーヒー文化。それまでのコーヒーの銘柄は国単位で表示されているものが多く、いくつかの農園で生産されているコーヒー豆がブレンドされているのが普通だった。それに対し、単一の苗木から収穫されたコーヒー豆だけを使用すること。コーヒーも栽培品種・生産方法によって味わいが大きく異なるため、「ブレンドせずに単一のコーヒー豆を使うことで、まるでワインのように品種や土地の風土(テロワール)などの個性を味わうのがこの「サードウェーブ」なのです。