アラビカ種に関しましては様々な品種が栽培され、経緯については所説あります。
エチオピアや南スーダンに自生していたたくさんの野生種のうち、一部のみアフリカ大陸からイエメンへ渡り、世界へ広まっていったという説があります。
伝播(でんぱ)していった品種で
「ティピカ」と呼ばれるものは標準的なコーヒー豆の総称として用いられます。
ルーツはジャワ島といわれ、そこから世界へ広まったといわれています。
「ブルボン」は18世紀半ば頃、ブルボン島で起きたティピカの突然変異によって生まれたといわれています。
現在の品種のほとんどは、この「ティピカ」「ブルボン」の突然変異か人工交配によるものです。
一方、カネフォラ種(一般的にロブスタ種と総称されます)はビクトリア湖周辺から西アフリカにかけての地帯が減産で、ベルギー植民地下にあったコンゴの苗木がジャワ島へと移植され、そこから広まったといわれています。
アラビカ種の品種はたいていの場合、発見された土地の名前に由来して付けられます。ゲイシャは「ゲシャ」「アビシニアン」といった別名があります。
コーヒーチェリー収穫量
健康なアラビカ種の木は、1シーズン1~5kgほどのコーヒーチェリーをつけます。
コーヒー豆1kgを生産するのに5~6kgのコーヒーチェリーが必要です。
アラビカ種:コーヒーチェリーが熟すと枝から落ちてしまうため、頻繁に摘み取ります。木の高さは3~4mほどになります。
ロブスタ種:コーヒーチェリーが熟しても地面に落ちません。木の高さは10~12mくらいまで成長します。
アラビカ種、ロブスタ種それぞれの特徴
根の深さ:
アラビカ種:深い、木の間隔1.5mほど空けます。
ロブスタ種:広く浅く、木の間隔2m以上空けます。
気温:
アラビカ種:15~25℃、温暖な気候が適しています。
ロブスタ種:20~30℃、高温が適しています。
高度:
アラビカ種:海抜900~2000m
ロブスタ種:海抜0~900m
雨量:
アラビカ種:年間降水量1500~2500mm、地表近くが乾いていても繁殖できます。
ロブスタ種:年間降水量2000~3000mm、多量の雨が頻繁に降る場所が適しています。
開花から実がなるまでの期間:
アラビカ種:9か月
ロブスタ種:10~11ヵ月
豆の含脂率:
アラビカ種:15~17%、含脂率が高め、なめらか、口当たりがよい。
ロブスタ種:10~12%、低めのため、クレマがしっかりとでき、エスプレッソ系に適す。
豆の糖度:
アラビカ種:6~9%
ロブスタ種:3~7%
カフェイン含有率:
アラビカ種:0.8~1.4%
ロブスタ種:1.7~4%、含有率が高いため、病害、菌、害虫に耐性あり。